AIを活用してなさそうな企業ランキング

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AIを活用してなさそうな企業ランキング【2026年版】
業界別データで見る「乗り遅れている」のはどこか

更新日:2026年6月 | AI活用 | 業界分析

「うちの会社、AIってどのくらい使われているんだろう?」と気になったことはありませんか。毎日のようにAIのニュースが飛び交うこの時代、実はまだほとんどAIを活用できていない業界や企業が多く存在しています。

今回は、複数の公的調査や研究機関のデータをもとに、AIを活用できていない業界・企業タイプのランキングをわかりやすくまとめました。自分が働いている業界は何位なのか、なぜ遅れているのか、そしてこれからどうすればいいのか——読み終わったときに「そういうことか!」とスッキリできる記事を目指して書きました。ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事でわかること
日本の業界別AI導入率データをもとにした「AIを活用できていない業界ランキング」、それぞれの業界が抱える課題の具体的な内容、そして今からでもできるAI活用の第一歩について解説します。

まず知っておきたい「日本のAI活用の今」

ランキングの前に、まず日本全体の状況を把握しておきましょう。数字を見るとAI活用の現実がよくわかります。

51% 日本のAI日常使用率
(世界平均72%)
55.2% 何らかの業務でAIを
利用している企業割合
約12% 中小企業の
AI本格導入率
57.7% AI社内研修を受けた
ことがない会社員

日本のAI日常使用率は51%で、世界平均の72%を大きく下回っています(BCG調査 2025年)。また、PwC Japanの調査では、日本は他の国と比べて「効果創出の水準が低い」という結果が出ており、AIを導入はしたものの十分に使いこなせていないケースが多いことがわかっています。

さらに注目すべきは、業界によって導入率に数倍の差があるという点です。IT・情報サービス業が導入率トップを走る一方で、一部の業界は6〜9%台という非常に低い水準にとどまっています。では、具体的にどの業界が遅れているのでしょうか。


AIを活用してなさそうな業界ランキング【2026年版】

以下のランキングは、情報通信総合研究所(2024年)・JUAS「企業IT動向調査2025」・NRI「AI利用に関する国際比較調査2025」などの複数データを総合して作成しました。導入率の数字は調査方法によって差が生じるため、複数の調査を参照して傾向をまとめています。

第1位(最も遅れている)
医療・福祉業界(導入率 約6〜7%)

調査によって数値に幅がありますが、医療・福祉関連の企業・事業者のAI導入率は約6〜7%と、全業界のなかで最も低い水準です。人の命や生活に直接かかわる仕事であることから、新技術の導入に対して慎重にならざるを得ないという背景があります。

なぜ遅れているのか?医療・福祉の現場では、個人情報や診療情報など非常に機密性の高いデータを扱うため、セキュリティへの不安が特に大きいです。また、現場スタッフの多くが介護・看護の専門職であり、デジタルツールへの習熟度やリソースが限られています。さらに、医療行為には厳格な法的規制があり、「AIの判断ミスが人命に関わる」という恐れから、意思決定者が導入をためらいやすい構造になっています。

具体的な場面を想像してみてください。介護施設の職員が毎日手書きで記録している介護日誌。これをAIで自動入力するだけで、1日あたり数十分の負担を減らすことができます。実際に一部の先進施設では導入が始まっていますが、まだ全体の普及には至っていません。

  • !個人情報・医療情報のセキュリティ対策が課題
  • !導入コストと人材不足がネック
  • !法規制や責任の所在が不明確
第2位
宿泊・飲食サービス業(導入率 約8〜9%)

ホテル・旅館・レストランといった宿泊・飲食サービス業もAI導入が非常に遅れている業界のひとつです。導入率は8〜9%程度にとどまっており、多くの企業が今もアナログな運営を続けています。

この業界の特徴は「人のあたたかさ」が価値の中心にあること。おもてなしや料理の美味しさなど、人間が担う価値が非常に高い一方で、予約管理・仕込みの在庫調整・シフト作成など、AIで効率化できる「裏方業務」も膨大にあります。しかしながら、多くのお店や宿が小規模経営であり、IT投資への余力が少なく、「どこから手をつければいいかわからない」という状態が続いています。

ちなみに、うまく活用した例もあります。大手回転寿司チェーンではAIによる需要予測を導入し、廃棄ロスを大幅に削減しています。一部のホテルではAIチャットボットで多言語対応の問い合わせを自動化しています。こうした取り組みはまだ大手に限られており、中小の飲食・宿泊事業者への普及はこれからです。

  • !小規模経営が多く、IT投資の余力が乏しい
  • !「人の仕事を奪う」という心理的な抵抗感
  • !繁閑の差が激しくリソース確保が難しい
第3位
運輸・郵便業(導入率 約9〜10%)

運送・物流・郵便などの運輸業界も、AI導入が大きく遅れている業界です。NRI「AI利用に関する国際比較調査2025」でも「卸売・小売」とともに投資拡大意向が相対的に低い業界として挙げられています。

2024年問題(ドライバーの時間外労働規制)の影響で、物流業界全体が深刻な人手不足に直面しています。逆に言えば、AIやロボットの活用が最も急がれる業界のひとつでもあります。しかし、長距離トラックのドライバーや配送員など現場スタッフは「AIと向き合う時間がない」という現実もあります。また、既存の配車システムや物流管理システムとAIを連携させる技術的なハードルも高く、導入が進みにくい状況です。

変化の兆しも出てきています。大手物流会社の一部では、AIによる最適な配送ルートの自動計算や、倉庫内の仕分けロボットの導入が始まっています。しかし、中小の運送会社への普及はまだ先の話です。

  • !既存システムとの連携が技術的に複雑
  • !現場作業が中心でデジタル化が進みにくい
  • !中小事業者が多く、投資の余力が限られる
第4位
卸売・小売業(導入率 約10〜13%)

スーパーや商店街の小売店、問屋さんなどの卸売業も、まだAIの活用が十分に進んでいない業界です。NRIの調査では卸売・小売の投資拡大意向はわずか11.3%と、全業種のなかで最も低い水準でした。

大手と中小の差が非常に大きい業界です。イオンやセブン&アイホールディングスのような大手小売チェーンでは、AIによる需要予測・在庫管理・セルフレジの導入が進んでいます。一方、地域の個人商店や中小の卸売会社では、レジもいまだ手動、発注も経験と勘に頼っているというケースがほとんどです。

面白いことに、需要予測のAI活用は小売業との相性が非常に良いとされています。「どの商品がいつ、どのくらい売れるか」をAIが予測できれば、廃棄ロスの削減や欠品の防止につながります。実際にAIを導入した大手スーパーでは食品廃棄を25%削減した事例もあります。この恩恵がすべての小売業者に広まるには、もうしばらく時間がかかりそうです。

  • !大手と中小の格差が非常に大きい
  • !AI投資より設備投資が優先されがち
  • !商品管理システムとの連携が複雑
第5位
農林水産業・第一次産業(導入率 10%台前半)

農業・漁業・林業といった第一次産業も、AI活用が遅れている分野のひとつです。ただ、農業に限っては「スマート農業」と呼ばれる動きが始まっており、大手農業法人や研究機関では積極的な取り組みが見られます。

課題は高齢化と分散した小規模農家への普及です。農業従事者の平均年齢は年々上昇しており、新しいデジタルツールを導入する体力・知識・意欲に個人差があります。ドローンで農薬散布をしたり、センサーで土壌の状態を監視したりする技術は存在していますが、多くの農家にとってはまだ「お金がかかるもの」「難しそうなもの」というイメージが拭えません。

将来性でいえば、農業はAIとの相性が非常に良い分野です。気象データと過去の収穫データを組み合わせて最適な収穫時期を予測したり、病害虫の発生を早期に検知したりすることで、生産性を大幅に高められる可能性があります。AI活用が進めば、年収も大きく上がる業界として注目されています。

  • !農業従事者の高齢化でデジタル活用が困難
  • !地方の通信インフラ整備が追いついていない地域も
  • !小規模農家への普及支援が不足

業界別AI導入率の比較表

各業界のAI導入状況を一覧で確認してみましょう。この表は複数の調査データをもとに傾向をまとめたものです。

業界 AI導入率(目安) 主な課題
情報通信・IT 35〜70%台 比較的高水準。さらなる活用が進む
金融・保険 約54% セキュリティ対応しながら急速に拡大中
社会インフラ(電力・ガス等) 約61% 導入意欲が高く先行している
建築・土木 約50% 書類業務効率化で成果が出始めている
製造業 30〜45%台 大手は積極的。中小に普及が課題
卸売・小売 10〜13%台 大手と中小の格差が大きい
運輸・郵便 約9〜10% 現場のデジタル化自体が途上
宿泊・飲食サービス 約8〜9% 小規模事業者が多く投資余力が乏しい
医療・福祉 約6〜7% 規制・セキュリティ・責任問題が壁

この表を見て気づくことがあります。「人手不足が深刻な業界ほど、AI導入が進んでいない」という逆説的な現象です。医療・福祉も運輸・物流も宿泊・飲食も、どこも人手不足で悲鳴を上げているのに、AIを活用できていません。これは「AIを使えばラクになるとわかっていても、導入に踏み切れない理由がある」ということを示しています。


なぜAI活用が進まないのか? 3つの共通する理由

ランキングを見てきましたが、遅れている業界にはいくつかの共通した原因があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

理由1:「効果的な活用方法がわからない」という壁

総務省「令和7年版 情報通信白書」によると、日本の企業がAI導入に際して最も大きな懸念として挙げているのが「効果的な活用方法がわからない」という点です。

「AIがすごいのはわかった。でも、自分の会社のどの仕事に使えばいいの?」という疑問です。これはとても正直な悩みで、特に現場仕事が中心の業界では「AIって机の上でパソコンを使う人のためのものでしょ?」というイメージが根強くあります。

実際には、介護記録の音声入力・飲食店の予約管理・配送ルートの最適化など、現場に直結したAI活用の方法は数多くあります。知らないだけで、活用できる場面はすぐそこにあります。

ポイント:SHIFT AIの調査(2024年)によると、AIに関する「社内研修を受けたことがない」と回答した会社員は57.7%にのぼります。学ぶ機会が与えられれば、多くの人が活用できるようになるはずです。

理由2:セキュリティへの不安

「お客様の情報をAIに入力して大丈夫なのか?」という不安は、特に医療・福祉・金融系の業界で非常に強く聞かれます。総務省の調査でも、「社内情報の漏えい等のセキュリティリスク」が2番目に多く挙げられた懸念でした。

この不安はもっともです。実際に、個人情報や診療情報・顧客データをそのまま外部のAIサービスに入力することはセキュリティ上のリスクがあります。しかし、現在は「社内専用のAI環境」を構築することで情報を外に出さずに活用する方法もあります。パナソニック コネクトでは全社員向けAIを導入してから16か月間、情報漏えいや著作権侵害の問題がゼロという実績も出ています。

「リスクがあるから使わない」ではなく、「リスクを理解して適切に使う」という考え方が大切です。

理由3:コストと人材の問題

「AIを導入するにはお金がかかる」「専門家がいないとできない」というイメージも、活用を妨げる大きな壁です。特に中小企業や小規模事業者にとっては、大きな初期投資が難しい現実があります。

経済産業省の試算では、2030年にIT人材が最大約79万人不足すると予測されており、AI活用に必要な人材の不足は今後さらに深刻になります。

ただし、ChatGPTやClaude(クロード)のような生成AIツールは、月額数千円から利用できるものも多くあります。「高価なAIシステムの導入」ではなく「無料・低価格のAIツールで業務の一部を効率化する」という小さな一歩から始めることが、特に中小企業には合っているアプローチです。


このまま放置するとどうなるのか——見えてきた「危機」

「AI活用が遅れている」ことは、単に「便利な機能を使っていない」という話にとどまりません。実は、企業の生存に直結する問題になっています。

まず、コスト競争力の差が開いていきます。AI早期導入企業の生産性は15〜30%向上するというデータがあります(BCG調査)。AI活用で1ドル投資すれば平均3.7ドルのリターンが得られるともいわれています。AIを使っている競合他社と使っていない会社が同じ市場で競争すれば、徐々に差がついていくのは必然です。

次に、人材確保の面でも不利になります。特に若い世代はAIを使える環境で働くことを当たり前だと思い始めています。「この会社、まだAI使ってないの?」と感じた優秀な人材が離れていく可能性があります。

そして、経済産業省はDXの遅れにより2025年以降に年間最大約12兆円の経済損失が発生すると警告しています。AI活用の遅れはDX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れと密接につながっています。日本全体の問題としても、企業一社一社の問題としても、危機感を持つべきタイミングです。

ただ、悲観的になる必要はありません。裏を返せば、今からAI活用を始めれば競争優位に立てるチャンスがあるということでもあります。まだ85%以上の中小企業がAIを本格導入していないということは、「今から始めても決して遅くはない」ということです。


今日からできる!AI活用の第一歩

「うちの業界も遅れているな」と感じた方に、今日から実践できるステップをご紹介します。難しく考える必要はありません。

  1. 1
    まず「自分の業務」を書き出してみる
    1日の仕事の中で、「時間がかかるのに機械的な作業」を3つ書き出してみてください。メール返信・報告書の作成・データの転記・会議の議事録など、反復的な作業こそAIが最も得意とする領域です。
  2. 2
    無料のAIツールを1週間試してみる
    ChatGPT(無料プランあり)やClaude(クロード)などの生成AIツールは、今すぐ無料で使い始められます。「文章を書いてもらう」「アイデアを出してもらう」「情報を要約してもらう」など、まずは小さな業務で試してみましょう。特別なIT知識は必要ありません。
  3. 3
    「地味だけど時間がかかる作業」に使ってみる
    AI導入で成功している中小企業の共通点は、「華やかな新サービス開発」ではなく「受注データの転記・荷札作成・日報作成など、地味だが確実に時間を食っている定型業務」からAIを活用し始めることです。小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
  4. 4
    社内で情報を共有する
    「AIでこんな作業がラクになった」という小さな成功体験を、職場の仲間に伝えていきましょう。一人の気づきが組織全体のAI活用を前進させます。AI活用が組織に根づいている会社では、個人の利用が業務フローの変化につながっているというデータがあります。

覚えておきたいこと:Gartnerの調査(2025年)では、AIに適したデータの欠如により2026年末までにAIプロジェクトの60%が中止されると予測されています。いきなり大きなプロジェクトに取り組む前に、身近な小さな業務から始めることが成功への近道です。


まとめ:AI活用の「遅れ」は今からでも取り戻せる

この記事では、複数の調査データをもとに「AIを活用できていない業界ランキング」をご紹介しました。

ランキングのまとめ
  • 1 医療・福祉業界(約6〜7%)——規制・セキュリティ・責任問題が大きな壁
  • 2 宿泊・飲食サービス業(約8〜9%)——小規模経営と投資余力の問題
  • 3 運輸・郵便業(約9〜10%)——現場のデジタル化自体が途上
  • 4 卸売・小売業(約10〜13%)——大手と中小の格差が非常に大きい
  • 5 農林水産業(10%台前半)——高齢化と小規模農家への普及が課題

大切なのは、これらのランキングを「他の業界の話」として眺めることではありません。今いる業界や会社で、自分が何か一つでもAIを活用してみることが、変化の出発点になります。

今日の日本では、AI活用を始めた人と始めていない人の差が、じわじわと広がり始めています。しかし、今からでも十分に追いつけます。むしろ多くの業界でまだ誰もやっていないからこそ、先に動いた人・会社が大きなアドバンテージを得られるチャンスでもあります。

「難しそう」「うちには関係ない」と思っていたあなたも、ぜひ今日から一つだけ試してみてください。AIは特別な人のための特別な道具ではなく、誰もが使える身近なツールになっています。その一歩が、あなたの仕事と業界の未来を変えるきっかけになるかもしれません。

【参考資料】
BCG「AI Radar 2025」/ PwC Japan「生成AIに関する実態調査 2025春 5カ国比較」/ 総務省「令和7年版 情報通信白書」/ JUAS「企業IT動向調査2025」/ NRI「AI利用に関する国際比較調査2025」/ 情報通信総合研究所「企業の生成AI導入・利用率調査(2024年8〜9月)」/ 株式会社Leach「中小企業AI導入実態調査2026」/ 経済産業省「DXレポート」/ IPA「DX白書2023」

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